モンテネグロ戦後の会見

モンテネグロ戦で短時間ながら代表デビューを果した橋本の、試合後のコメントがちょっと面白かった。

ユニホームの交換は、ビチョビチョだった(笑)
着心地?汗ビッショリでした(笑)

モンテネグロ選手から受け取ったユニフォームが汗みづくで、嬉いというよりもちょっと気持ち悪い、とか言ったら失礼だけど、それにしてもあまりにもビチョビチョでまいったなあ、という、(笑)よりむしろ(苦笑)というニュアンスが読み取れるコメントだが、もし橋本がこんなことをしながらそのコメントを発したとしたらどうだろう。

そのユニフォームをチューチュー吸っている。

いや、あの、ごめんなさい。ついまた橋本を変態キャラにしてしまった。そんなつもりじゃないのだ。むしろ応援しているのだ。本当は大好きなのだ。橋本には日本代表のスタメンの座を勝ち取り、90分フル出場して自らのユニフォームをビチョビチョにしてほしい。そしてそれを、私は吸いたい。ってもちろん嘘だけど。

また、オシムは試合後の記者会見で加地さんの欠場を嘆く発言をしたのだったが、素直に「加地さん」と言えばいいところを、「タッチラインのハジからハジまで一人でカバーできて、何度も往復できるそういうスピードとエネルギーのある選手」などと回りくどく表現していたのだった。この回りくどさが“オシム独特の言い回し”というやつなんだな。

「今日は、日本の伝統的な料理の爆撃機というニックネームを持つ選手がその名の通りの仕事をした。赤い毛むくじゃらのキャラクターの友だちの緑色のキャラクターっぽい選手も悪くなかったが、なんだか顔が気になる選手は大事な場面で個人プレーに走った。カジオログに取り上げられることが頭をよぎったのかもしれない」

「次の試合は、ネット上では秋の味覚の名前で呼ばれる選手や、8本足の軟体動物の名前で呼ばれる選手、そして親指も試したい」

「地球から銀河系の端まで一人でカバーできて、円盤状の乗り物で往復できるそういうテクノロジーを持った選手にもチャンスはあるでしょう。彼は脚だけでなく、目も使える。ルールブックに目を使ってはいけないと書いてありますか?」

モンテネグロ戦

「今日キリンカップ?じゃあビール買って帰る」

というメールが家の者から届いた。私はビールは飲まないからそれは家の者用である。ビールを飲みながらキリンカップをテレビ観戦するつもりだろうか。しかし家の者はそれほどサッカーには興味がないはずで、だからまあ、なんとなく雰囲気っていうか、単にビールが飲みたくなったということだろう。

それで中継にあわせて7時頃から夕食を取りはじめ、家の者がプシュっと開けた缶をよく見ると、そこには大きくこう書いてあった。

アサヒぐびなま。

キリンじゃない。っていうか、ビールでもない。“その他の醸造酒(発泡性)(1)”だ。これはつまり、『加地さんが出ないキリンカップなんてアサヒカップだ』とか、『駒野さんや水野クンの“キレ”もいいけどそれだけじゃビールとは言えず、渋みはもちろん、“コク”っていうか“コケ”も必要だし、なによりキメの細かい泡のような“ふんわり”がなきゃだめなんだ』っていう、家の者なりの皮肉のようなものなのだろうか。

たぶん、違うな。

試合終了後、クールに微笑むオシムJAPANの面々の後ろで、ひとりなぜか爆笑の羽生。

中村憲剛が開けた口越しの、視線。

プリ。