ズッキーニしりとり

多忙な加地さんは訪れる暇などなかっただろうが、いや、もしかするとスケジュールの合間を縫ってモリゾーとキッコロに会いに行っていたのかもしれないが、とにかくその「愛・地球博」が閉幕した。閉幕直前の入場者数はすさまじかったらしく、8時間待ちなどというものすごい行列が報道されていた。

順番待ちの行列。それは人類の偉大な発明のひとつだ。早く来た人から、順番に、争わず、何がしかのサービスを受けるための方法。それは秩序の象徴だ。行列の発明がなければ、人々は入場ゲートに殺到し、殴り合い、子どもは蹴散らされ、年寄りは踏みつけられ、女は犯され、強いものがまっ先に冷凍マンモスとご対面し、雄たけびをあげるだろう。

パオーーーーーーン。

でも人類には行列があるから大丈夫。今回の愛・地球博でも、順番をめぐる争いの報道などは耳にしなかった。しかしそんな素晴らしい行列にも、ほとんど唯一にして最大の欠点がある。退屈なのだ。

何時間も、その場を離れることも出来ず、ゆっくりとしか進まない行列に並び続けるのは、退屈でしかたがない。何人かの知り合いと一緒でも、話題などすぐに尽きてしまうだろう。いっそのこと一人なら、本を読んだり携帯ゲームをしたりして時間がつぶせるが、最悪なのは付き合い始めて3年くらいの、もうそれほど話すこともなくなった恋人同士だ。あまりの退屈さに彼女が機嫌を損ね、ケンカになり、別れ話に発展しないとも限らない。そうならないための退屈しのぎに、私が発明した遊びを伝授しよう。その名を「ズッキーニしりとり」という。

ルールは普通のしりとりに順ずる。「ん」で終わる言葉を言ったら負けだ。それにたった一つ、新たなルールを加えるだけである。「ズッキーニ」と言ったら、負け。別にズッキーニなんて言わないよ、と思うだろうが、そうではない。言わせるのだ。これは、超攻撃型しりとりなのである。攻守がはっきり分かれるので、二人でやったほうが面白い。こんなふうだ。

「じゃあ俺から。チーズ」
「ずんだもち」
「地図」
「え?ず…図工」
「渦」
「また?ず、ず、ズィーコ」
「えー、それはちょっと反則だなあ。まあいいか。構図」
「またー?うーん…ズィネディーヌ・ズィダーン。あっ!」

行列に退屈した彼女が機嫌を損ねる前に、「ズッキーニしりとり」をお試しあれ。ただしあまりしつこく「ず」攻撃をしかけると、よけいに機嫌を損ねる可能性もあるのでご注意を。

「ズッキーニしりとり」への2件のフィードバック

  1. やってみましたよ、ズッキーニしりとり!
    「ず」で終わることばっていうのも意外と浮かばないもんですね。
    結局、ギブアップしたのはおいらでした。
    しかも最後は「ずぼら」で仕留められました。
    悔しかったので、ズッキーニのずわいがに餡かけを喰ってやりました。
    カジの足首、ちと心配ですね。

  2. やっていただけたのですね、ありがとうございます。「ずぼら」に対抗するには、「ラモーンズ」「ラーメンズ」なんてどうでしょう。グループ名も可、ということにしておくと、かなり「ず」で終われます。
    ベッカムカプセルいらずの加地さんならきっと大丈夫、驚異の自然治癒力であっというまに回復してくれるでしょう。

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