我が家のサッカー評論家

家の者はもともとサッカーには興味がなく、私がTVで観戦しているのに付き合う程度で、だから最初はそういった人を相手にしばしばそうするように、オフサイドのルールについて説明したりしたものだが、今現在家の者がどの程度サッカーのルールや戦術について知っているのか、よくは分からない。だからTVを観ながら時々ぽつりともらす言葉は、冗談で言っているのか本気で間違えているのかよく分からないこともしょっちゅうで、例えば以前日本代表の試合を観ている最中にこんなことを言ったのだった。

「今日はジーコ来てるの?」

来てるだろ、そりゃ。なにしろ監督だ。ジーコの現役時代など知らない家の者は、もしかしたら彼のことをこんな風に思い込んでいるのではないか。

サッカーをよく観に来る人。

違うぞ、間違っている。ジーコは、日本代表の、監督だ。監督っていうのはなあ、戦術を練り、選手に指示を送り、試合の展開を読み、効果的な選手を投入し・・・っていや待てよ。もしかすると家の者は間違えたわけではなく、ちゃんと分かっていて皮肉を言ったのではないか。試合中、大声で指示を出すでもなく、まるで特等席で試合を観戦してるかのようにただ立ち尽くしていることが多いジーコに対して。

今日もこんなことがあった。ジェフ千葉対FC東京。FC東京のチャンス。アナウンサー、「加地のクロス!」。加地さんの蹴ったボールはふんわりと宙を舞い、長い滞空時間の末、ゴールライン遥か後方に直接落下した。家の者は嘲笑するように言った。

「これがクロス?」

家の者は実はだいぶサッカーが分かって来たのかもしれない。

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